革命とReVo

十王篇第4弾「百王×邪王 鬼レヴォリューション!!!」で登場した新能力、「キリフダReVo」は各界に衝撃を与えた。単に強力な能力として、一年間のチーム切札の集大成として、そして……フレーバーとしては、「革命」の名を持つことが重要であった。
作中では、《一王二命三眼槍》によって強化されたジャオウガの新形態、《鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ》の持つ『過去、現在、未来を見通す力』を超えるために編み出された《勝熱百覇 モモキングReVo》の新必殺能力、『時間の流れを革命する力』として登場する。キリフダReVoによって革命された時間の流れを、ジャオウガは読むことが出来なかったという。時間の流れを革命する……ピンと来た方は多いだろう。この新たな能力キリフダReVoは、2015年度シリーズ「革命編」(正式名称は「革命」なのだが、便宜的に「革命編」と表記する)に登場した革命の力と非常に似た性質を持つのだ。

革命の力とは?

ある程度の背景ストーリーあらすじは皆さん知っている前提なので省略し、革命の力のみに焦点を当てて説明していく。ランド大陸の科学者ギュウジン丸は、かつてランド大陸に封印されたドキンダムを解放しその力を利用するため、ギュウジン丸が開発した侵略ウイルスを使ってランド大陸全域に自らの手駒、侵略者を生み出した。ランド大陸の民はそれに対抗するべく、自らの内に秘められた革命の力を呼び起こしたのだ。彼らは革命軍と名乗り、侵略者との戦いに身を投じる……というのが革命編での革命能力の背景である。
さらに「革命ゼロ」は一つの時代に一つしかないとても強力な能力とされ、革命ゼロを持つドギラゴンは革命軍の中でも特別な存在とされた。しかし、ドギラゴンの持つ革命ゼロの力でも、最強の侵略者レッドゾーンに勝つことは出来なかった。誰もが諦めかけたその時、祈りが奇跡を起こし、未来からもう一つの革命ゼロを持つもの、ミラダンテが現れたのだ。それだけではなかった。闇文明は多大な犠牲を払い、過去の革命ゼロを持つデス・ザ・ロストを復活させた。こうして、一つの時代に一つしかないはずの革命ゼロが三つ揃ったのである。
それぞれ「過去」「現在」「未来」を現す革命ゼロ。「過去」「現在」「未来」とはまさに、ジャオウガが槍の力を介して見通す時の流れと同じではないか。

鬼エンドも革命ゼロに近い?

鬼エンドの前身となる能力、鬼タイムが革命能力と似通っているという意見は十王篇開始当初から散見された。鬼タイムは相手のシールドが減っていてもいいという差異はあれど、シールドが少ないときに発動するという条件は同じだからだ。では鬼エンドはどうか。鬼エンドはどちらかのプレイヤーのシールドが0枚であるときに発動する鬼タイムの後継能力であり、自分のシールドが0枚のときに発動する革命0とはかなり似ているといえるだろう。一王二命三眼槍の敗北回避能力や、鬼エンド呪文が手札から誘発するあたりも革命0トリガーに似ている。その上、フレーバー上でも「過去」「現在」「未来」という革命編で大切なキーワードを出してくるということは、敵であるジャオウガもかなり革命を意識して作られているのではないかと推測される。タイトルも鬼レヴォリューションだし。

ではキリフダReVoはどうなのか

キリフダReVoは、時の流れに革命を起こし、時間という概念を打ち破る力とされている。革命編で描かれた革命の能力とは時間の流れを打ち破る力だったのか?

現在の革命ゼロの力を持つドギラゴンの他に、もう一体のドギラゴン、ボルシャック・ドギラゴンがいた事は広く知られている。このボルシャック・ドギラゴンにも革命ゼロの力が備わっており、一つしか存在し得ないはずの「現在の革命ゼロの力」は二つ同時に存在していたことになる。現在が二つ同時にあるというのは、時間を革命しているといえるだろう。

過去の革命ゼロの力を持つデス・ザ・ロストは、過去から蘇った存在であると同時に、犠牲を払うことで復活を求める力を持つとされている。彼自身が蘇ったのも、闇の国の王キラー・ザ・キルが復活のため犠牲になったからであろう。謎のブラックボックスパックにおいて語られた物語で、デス・ザ・ロストがボロフに出会ったとき、ボロフのためにデスシラズ∞を蘇らせてあげたことは記憶に新しい。しかしこれはただ死んだ者を蘇らせたわけではなかったのだ。デスシラズ∞を呼び出す際、異次元のデスシラズを呼び出すにあたって、オラクルで裏教祖をしていたもう一つのデスシラズの可能性……をこちら側に連れてきているのである。その後、デスシラズはオラクルの世界からは姿を消したまま物語は進行している。つまり、デスシラズ∞の復活は魂の再生ではなく、生きていた時代のデスシラズを呼び出すことで、現在の側から、過去を書き換えているものと推測される。時間を革命しているといえるだろう。

未来の革命ゼロの力を持つミラダンテは、未来から来る力を持っている……わけではない!SSS!!侵略デッドディザスターのフレーバーテキストにおいて、ミラダンテが未来から来ることができたのは、ギュウジン丸の時間移動テクノロジーによるものだったことが判明した。しかし、本編において、ミラクルスターの祈りが奇跡を呼び、ミラダンテを未来から呼び出したとされている文章があるのも事実である。この矛盾点を解消するために仮説を立ててみる。まず、ミラクルスターが強く祈る。その祈りがミラダンテに届く。しかし、ミラダンテ自身には時間を超える能力はない……。だが、革命とは時間を革命する能力である、というこの文の命題を真とするならば、ミラダンテの真の能力はやはり時間を革命することでなくてはならない。つまり、ミラダンテは未来の側から現在を革命することで、「ギュウジン丸に時間移動を起こさせた」のではないだろうか?もちろん、これは推測にすぎない。

いずれの場合も革命ゼロの力は、時間に対して大きな影響力を持っているといえる。このことから、背景ストーリー的にはキリフダReVoが革命と近い種類の能力である可能性は非常に高いといえよう。